りかやの閑話休題

理科人として興味のおもむくままに何やかんややっています。しかし,歳を重ねていくと日々忘れていくことの多さに驚き,記録することの大切さを実感して始めたブログです。

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てぃーだブログ

岩石薄片

デイサイト質溶岩

昨日の天気は午前中はまるで梅雨入りかと間違えそうなくらいのものでした。いやはや,暖冬の時の雨はこんな感じだったのですね。
今日は晴れて気温も過ごしやすく良かった!!!

で,本題。
磨り上げていた”男体山火山角礫類中の溶岩”
デイサイト質溶岩
なんですが,当初はその軟らかさに凝灰岩なのかと思っていたのですが,いろいろと思うところあって調べていたら,うん!面白いものでした。

ポイントは
デイサイト質溶岩
左上に見えてる黒色の部分を拡大したもの。
当初は火山ガラスかなくらいにしか思っていなかったんですよね。
入り方も
デイサイト質溶岩
方向性を持っております。

薄片は
デイサイト質溶岩
オープン
結晶は方向性を持って配列しています。
デイサイト質溶岩
クロス
灰色で柱状のものは斜長石です。その他は不透明鉱物などや隠微晶質な鉱物。
で,黒色の部分は褐色の透明な鉱物です。おやおや,火山ガラスではないと・・・?

別の部分
デイサイト質溶岩
オープン
デイサイト質溶岩
クロス

実はこの薄片,磨っている間にどんどん剥離してきて,まさかの3回程度作り直すという、、、
ま,直ぐに磨らないからという原因もあるんですが。
で,剥離性があるのが風化部ではないのです。
デイサイト質溶岩
オープン
風化部との遷移部分はこんな感じで残っております。あっ,左の丸い粒々は気泡です、、、
デイサイト質溶岩
クロス
ここいらは剥離せず,疑問に思っていろいろ調べていたら
「茨城県自然史博物館研究報告」に”たぶん”答えがありました。持っている岩石では化学分析などはしていないので,ただの見た目での判断で,ほぼ同一なんじゃないかと考えているだけですが(岩石を見つけたポイントも少し異なりますので...)
論文は
「茨城県大子町男体山火山角礫岩類のデイサイト中に発見された急速に変色するferrohypersthene 組成のシリカゾル」というもの。
読んでみると,剥離が恐らく,水に依るのもだと考えられます。で,この黒い物質の正体はシリカゾルかも知れないということも解りました。
詳しいことは読んでもらうとして,結果として凄くワクワクします。
いやはや,何とも面白い性質です!!!しかしながら,生成して1500万年間草色だったゾルが割ることで空気中の酸素に触れ,酸化されることで黒色としてゲルになるって何とも不思議な感覚です。

まだまだ,知らないことだらけで学ぶことが多いです。知らない事が多すぎるって愉しいですね(笑)
さて,次はどんな世界が観えるかなぁ~。

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